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2006年6月9日(金曜日)

文化財保護(2)

カテゴリー: - kawamura @ 07時30分43秒

先日、女性の見学者が裏庭にたつ建物をみて、
「こわれたら二度とかえってこないんですよ」となんだか私をせめるようにつぶやきました。

わかっています。わかっているけれどもどうしようもないのです。
自分の生まれ育った家の屋根や壁がくずれ落ちてゆくのを日々ながめるのは、
自分の生身が腐ってゆくようです。

と、声にだしては言わなかったけれど、ただだまってうなづきながら、
祖先からうけついだものをもちこたえられない我が身のふがいなさをなげくだけでした。

生産性のない文化財とその周辺の景観を維持するのには、莫大な資産を要します。
そういう資産を所有していたころの、
その家格にふさわしい家がたまたまのこされて文化財建造物に指定されたのです。

その資産は、戦後の改革でうしなわれました。
それをわかっていただきたいのです。
建物は往時の「御林守河村家」の住宅ですが、それを守る私はふつうの人なのです。

私にできることといったら、
せいぜい年に一・二回庭師に剪定を依頼し、
年に三回シルバー人材センターに文化財周辺の草刈りをたのみ、
休日に夫婦で屋敷の草とりをして、
晴れた日には母家の戸をあけて風をいれ、
ほんのときおりおとずれる見学者にご説明をすることぐらいなものです。

とはいえ市から指定文化財への補助金をいただいています。
三年ほどまえまでは年間一万円、現在は年間五万円です。

それは一年間にかかる庭師やシルバー人材センターへの支払い等の、
二十分の一ほどにあてさせていただいています。

それを、私たち夫婦は二十年以上つづけてまいりました。
いつまでそれができることでしょう。

ましてや倒れた塀やくずれ落ちてゆく屋根を修復するなど、
とうてい私個人の力でまかないきれるものではありません。

新しい展開を必要としています。
従来の手法で、つまり、文化財の周辺環境を文化財所有者個人の力でととのえるのには、
限界がきています。

おそらくは文化財建造物所有者に共通のテーマとして、
文化財の維持保存のためにあたらしい手法を考えなければなりません。

(梅雨どきがめぐってくるたびに、
 大きな穴のあいた屋根が、私の気をめいらせるのです)


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